スクリプカリウ
落合安奈

スクリプカリウ 落合安奈
photo by Nakazato Kotetsu

1992年埼玉県生まれ。2016年東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業(主席・美術学部総代)。同大学大学院彫刻専攻博士課程に在籍。日本とルーマニアの2つの母国に根を下ろす方法の模索をきっかけに、「土地と人の結びつき」というテーマを持つ。国内外各地で土着の祭や民間信仰などの文化人類学的なフィールドワークを重ね、近年はその延長線として霊長類学の分野にも取り組みながら、インスタレーション、写真、映像、絵画などマルチメディアな作品を制作。「時間や距離、土地や民族を越えて物事が触れ合い、地続きになる瞬間」を紡ぐ。

主な展覧会

  • 2024 / 「北アルプス国際芸術祭 2024」
  • 2024 / 横浜市民ギャラリー/ 「新・今日の作家展2024 あなたの中のわたし」
  • 2023 / 埼⽟県⽴近代美術館 / MOMAS コレクション「MOMAS ノ海」
  • 2021 / 鷲⽥めるろ賞受賞 / TERRADA ART AWARD 2021 ファイナリスト展
  • 2020 / 埼⽟県⽴近代美術館 / Blessing beyond the borders ―越境する祝福―
  • 2020 / ルーマニア国⽴現代美術館 / Y.A.C.RESULTS 2020
  • 2019 東京都美術館 / 都美セレクション グループ展 2019「星座を想像するように-過去、現在、未来」
  • 2018,2019 / 世界遺産のフランスのシャンボール城, ベトナムのホイアン

スクリプカリウ落合安奈は日本とルーマニアの二つのルーツを持つアーティストとして、絵画、写真、インスタレーションなどで作品を発表してきました。落合はCOVID-19によって閉ざされていた世界が再接続されていく時代に、もう一つの母国の文化を吸収して、その土地で生きる術を学ぶためにルーマニアへ渡りました。
本作《ひかりのうつわ》は、そこで撮影した写真で構成されています。冬から始まったこの滞在を通して、ルーマニアの人々と大地と信仰に根付く営み、そして自然との新たな邂逅を重ねていきます。過ぎゆく瞬間の手触りを残すため、あえてアナログフィルムを使い、季節をめぐりながら捉えた光景をスライドプロジェクションによって映し出します。

statement 山峰潤也 氏

ひかりのうつわ
2023
インスタレーション

協力:公益財団法人ポーラ美術振興財団
公益財団法人クマ財団
制作:写真弘社、田中信至、糟谷健三

今回は、写真を軸にした新作インスタレーションを発表。ルーマニアで10ヶ月間カメラを肌身離さず携えて常に目とカメラが一緒になるような日々を過ごし、大地のすぐそばで生きている人々の営みや生き物の鮮やかな生と死、目に見えない深い信仰、この土地に滲み出てくるような風景を捉えてきました。ルーマニアでの長期にわたる滞在制作を経て、自分の作家としての第2章の思いが詰まった作品が全世界初公開となりますので、たくさんの方にご覧いただきたいです。

インタビューを見る

写真: Courtesy of ACK, photo by Takuya Matsumi
映像:Courtesy of Daimaru matsuzakaya, movie by Naoki Miyashita